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【夏の名残りの薔薇】による変奏曲 作品73(タールベルク) [タールベルク]

今日は、前回に続いて、アイルランド民謡の【夏の名残りの薔薇】を基にしたピアノ曲だ。

今日の音楽日記は、ロマン派のリスト最大のライバルと言われた、
ピアニストでもあり、作曲家でもある タールベルクが作曲したピアノ曲。
【夏の名残りの薔薇】による変奏曲 作品73である。

タールベルクは、自分自身がピアニストだった為、
数多くの演奏会用のピアノ曲を作曲している。
そして、必殺技は、【三本の手奏法】だ。
まあ、いろいろと、以前の音楽日記でも、書いているので、
興味のある人は、そちらも、参考にしてください。
 【埴生の宿】による変奏曲 作品72
 【ユグノー教徒】による変奏曲 作品20

(しかし、タールベルクのファンって、日本にどのくらいいるのだろうか?)

さて、【夏の名残りの薔薇】による変奏曲 である。
これがまた、タールベルクらしい、優雅で、洗練された曲に仕上がっている。

曲は、単音で、どことなく寂しく始まり、
下降する、きらめくスケールの後、
【夏の名残りの薔薇】の主題が、しみじみと優雅に歌われる。
そして、半音階の中、これまた、主題が優雅に歌われる。
この半音階なのだが、派手さはなく、どこまでもタールベルクの世界だ。
(リストの半音階の伴奏は、大抵、嵐のようになるのですけどね・・・)
そして、和音のパッセージの中、主題が歌われ、
次第に盛り上がり、曲は、そのまま、フォルテで終わる。

時間にして、5分足らずの小品だ。
音楽的に見れば、主題は、まったくといっていいほど、変奏されず、
主題を取り巻く伴奏形のみを変化させている。

【埴生の宿】による変奏曲 に比べると、必殺の【三本の手奏法】もなく、
派手さはない。
しかし、【夏の名残りの薔薇】の主題を変化させることなく、
これほど洗練された曲もなかなか書けないとも思う。
当時のサロンで、タールベルクが弾いたら、それはそれは、受けただろうなあ
そんな雰囲気を想像するだけでも楽しいものだ。

聴いていて、夏の終わりには、ぴったりの曲だ。

さてさて、この曲の欠点と弱点は、なんだろう?

それは、音源が少ないことかも知れない。
プロのピアニストの皆さん、アンコールにでも弾きましょうよ。
いいと思うのだけどなあ・・・


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Cecilia

NMLで見ましたが、この曲はありませんでしたね~。
しかもタールベルクのCDの少ないこと!
「埴生の宿」のほうは確か聴けましたよね。
これから聴いてみます。

私はエルガーの歌曲でちょっと気に入ったものができました。
by Cecilia (2007-09-06 09:59) 

みどりのこびとちゃん

Ceciliaさん、コメントありがとうございます。
ナクソス・ミュージック・ライブラリーには、確かに、
【埴生の宿】変奏曲は、あるのですが、
この【夏の名残りの薔薇】変奏曲は、ないのです。・・・(残念)
しかしそれでも、ここでタールベルクの多くの曲が聴けます。

でも、タールベルクの音源は、少ないのです。

エルガーの何の曲か気になります・・・
by みどりのこびとちゃん (2007-09-06 23:42) 

なるたる

この曲の音源、いくつありましたっけ?
私はポンティのLP盤でしか知りませんでしたよ。
しかも最後に聴いてからもう20年以上も経ってしまいました。
記憶も薄れがちで、旋律の細かいところまで浮かんできませんw。

ただでさえ多くないタールベルクの録音も廃盤が進み、ごくポピュラーなものまで聴けなくなって来ている現状は寂しい限りです。
だから目を皿のようにして、日夜未知の曲をネットで検索するのです。
ついこの間、こんな曲を見つけましたよ。

ジギスムント・タールベルク(1812-1871):シューベルトの旋律による幻想曲 Op.57 No.5 (FCD 368400)

早速注文してしまいました、楽しみですw。
by なるたる (2007-09-07 22:39) 

みどりのこびとちゃん

タールベルクの音源は、確かに少ないですね。
昔のポンティの音源では、
ピアノ協奏曲・埴生の宿・気まぐれ女・夏の名残・ユグノー教徒幻想曲・
そして、悪魔のロベルト幻想曲 だけしか持っていません。
うーん、もっとVOXに録音していると思うのだけど・・・

私も密かに最近、タールベルクの音源収集を始めようかと・・・
(いかん、いかん、また貧乏になってしまう・・・)
by みどりのこびとちゃん (2007-09-08 22:28) 

なるたる

>>うーん、もっとVOXに録音していると思うのだけど・・・

いや多分VOXへの録音はそれだけではないでしょうか?
マルコ・ポーロのニコロージの録音が出てきて初めて、ロッシーニ・ヴェルディ・ベルリーニ・ドニゼッティのオペラ・パラフレーズの数々が明るみに出たと記憶しています。後はワイルド・アムラン・カツァリスなどの部分的な録音に留まるのではなかったでしょうか?
でも彼のオペラ・パラフレーズの全体像は未だ判明していません、曲数すら分からない。
おまけに現状では先細りで、新しい録音もありません…。

ロッシーニのオペラ「セミラーミデ」(全曲)を聴きました。
タールベルクのパラフレーズが、原曲のどんな旋律を抜き出して構成されているかを調べるためです。
判った範囲では、原曲の耳に残る旋律、心に刻まれる調べだけを忠実に抜き出し、彼一流の技巧で装飾していることでした。
タールベルクの旋律が心に残るのは、こういう取捨選択の能力、何を拾い上げ、何を省くかの本能的な選択眼に誤りがないためだと確信しました。
おまけに演奏効果を考えて、抜き出した旋律も必ずしも原曲の演奏順番通りではありません。そこら辺は良く考え抜かれています。
しかも主題旋律を繋ぐパッセージには、タールベルク自身の作った旋律も少なからずあり、これがかなりの演奏効果を挙げていることを考えると、オペラ・パラフレーズ限定ながら、メロディ・メーカーとしての彼の才能にも
改めて注目せざるを得ません。

やっぱり私に言わせれば、リスト風情などとは違うのだよ、リスト風情とは―なのでありますw。
by なるたる (2007-09-09 01:27) 

みどりのこびとちゃん

最近、もらった、西洋音楽史という本(1000ページ以上)に、
タールベルクのことが、一行だけ書いてありました。

「・・・タールベルクは、ピアノ奏者としては成功したが、
 作曲家としては、言うまでもなく、第二級であった。・・・」

ははは、えらい言われようです。
まあ、そう思う人がいてもいいのだけど、
そう言われると、タールベルクファンとしては、
違うだろう・・・と言いたくなるので(笑)
今後も、タールベルクの曲は、紹介していきますよ。
by みどりのこびとちゃん (2007-09-09 23:53) 

なるたる

タールベルクが作曲家として第ニ級であった、とのその本の内容については、私が大のタールベルクファンであるにしても、諸手を挙げて賛成します。
私が評価するのはただ彼の編曲技法のみであって、編曲の美しさ・優雅さにかけては明らかにリストを凌ぎます。
対して彼の自作曲に関しては、全く評価していません。
一言で言って霊感の乏しい、冴えたところの全くない、つまらない音楽とさえ思っています。

尤も私の中では、リストもどうしようもない二級の作曲家なのですが…。
私がリストを忌み嫌うこと、蛇蝎の如くであります。
by なるたる (2007-09-10 00:08) 

みどりのこびとちゃん

なるたるさんコメントありがとうございます。
実は、私は、今、タールベルクのオペラ編曲物ではない曲には、
どんなものがあるのだろう?と思っているのです。
確かに駄作が多いようですが、
駄作が多いのも魅力なのです(笑)
だから、私は、リストも大好きなのです。

こないだ、作品65の「タランテラ」の楽譜を入手しました。
うーん、確かに、たいしたことない曲かも・・・
by みどりのこびとちゃん (2007-09-11 00:24) 

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